その他ドリル加工(ロングドリル加工)

このページでは、深穴加工の技術のひとつである「ロングドリル加工」について、わかりやすく紹介していきます。

ロングドリルによる深穴加工とは

加工材に深穴をあける際には、ドリル直径の10~50倍の長さがあるような「ロングドリル」を使用します。ドリルの素材やドリルの形状によって、ハイスドリルや超硬ドリル、ストレートドリルといった名称で呼ばれることも。

文字通り、全長・溝長の長いドリルのことですが、それだけでなく、深穴加工で重要になる「切屑の排出」や「切削抵抗」に対応できるように、特殊な機能を有しているのが特徴です。

例えば、深穴加工で用いられる「パイロットドリル」は、穴の位置を高い精度で合わせることができ、工程上の「逃げ」を発生を防止することも可能になっています。

ロングドリルによる深穴加工の強み

長い深穴をあけることができる

「ロングドリル」や「パイロットドリル」を用いる深穴加工の強みは、やはり、ドリル直径の10倍から50倍もの長さがある深い穴あけを行えることです。

スーパーロングドリルにもなれば、それ以上の深さにも対応できます。

切屑を排出しやすい工夫あり

深穴をあける加工技術では、加工材から出る切りくずを効率的に排出することが非常に重要なポイントになります。深い穴をあけるためにつくられた「ロングドリル」には、切りくずの排出を考えた溝がつくられており、切りくずのつまりを抑制する工夫がされています

ロングドリルによる深穴加工の弱点

ブレの低減が難しい

全身が長い「ロングドリル」による深穴加工は、ブレを防ぐことが難しいというデメリットがあります。ジャンクから刃先までの長さがあるため、加工材に対する食いつきが不安定になるためです。

加工業者にはブレをしっかりと低減できる技術力が求められます。

穴の曲がりにも注意

ロングドリル加工でさらに注意したいポイントが、穴の曲がり。全身が長いドリルを用いるからこそ、穴の直進性を確保するには、非常に高い技術力が必要になります。

直進性の確保が難しい場合は、「ガンドリル加工」や「BTA加工」を検討することも必要です。

ロングドリルで加工できる素材

「ロングドリル加工」が対応している加工材は、どのようなドリルを使用するかによって異なってきます。

ドリルの長さや硬さによって、加工できる素材の硬度や材質が決定されるため、各業者が使用しているドリルについて問い合わせてみてください。

穴の深さや穴径の大きさ、素材により、複雑さが変わる深穴加工。
お願いしていたのに途中で難しいと返されてしまうことも少なくありません。
このサイトでは、トラブルの時でも頼れる、即日加工可能な業者を特集しています。
おすすめの上がりの早い深穴加工業者3選を紹介しているので、要チェックです。

おすすめの深穴加工業者3選はこちら

ロングドリルの対応深さ

「ロングドリル加工」が対応している穴の深さは、ドリルの直径のおよそ10倍から50倍にもなる深穴です。実際の深さは、使用されるドリルによっても異なりますが、大きなドリルを使用するほど、対応できる穴の深さも長くなります。

ドリルの形状上、加工できる穴径の直径は比較的小さめです。

ロングドリルによる深穴加工の例

「ロングドリル加工」の事例に関する情報は見つかりませんでした。

曲がりのない深穴をあけるにはドリル加工は不向き

全身が長いロングドリルを用いる深穴加工は、深さのある穴あけに対応しているものの、ドリル径の50倍を超える穴あけや直進性が求められる加工には不向きな面もあります。

持っている旋盤で加工できるため、自分でも手軽に手を出しやすいことはメリットですが、より深く精密な加工がしたい際は「ガンドリル加工」や「BTA加工」の検討がおすすめです。

最短即日加工が可能な
おすすめ
深穴加工業者3選

「深穴加工」とGoogle検索した際に表示された深穴加工業者上位50社を調査した結果、最短即日での加工・出荷が可能な業者は以下の3社を紹介します。

1mの深穴でもずれは0.3mm以下
精度の高い深穴加工なら

不二新製作所
不二新製作所の深穴加工事例

引用元:不二製作所HP
https://fujishin.jp/post-850/

  • 独自開発マシンで芯ずれを通常の半分以下に抑える
  • φ5mmまでは3.2mmや1.7mmなど0.1mm刻みの加工に対応
対応穴径
φ0.5~75
対応素材
鋼系、ステンレス系
耐蝕・耐熱合金、チタン系
アルミニウム系、銅系、樹脂系
芯ずれ精度
0.3mm以下
※φ10mm、1,000mmの長さで加工した場合
対応加工法
  • ガンドリル加工
    ガンドリル加工とは?

    直進性の高い深穴加工を叶える加工方法で、LD100であれば芯ずれを1mm以下に抑えられます。金属・非金属問わず、一般的にφ3~30程度の加工が得意です。

  • BTA加工
    BTA加工とは?

    曲がりを抑えながら直径の50倍を超える穴あけも可能な方法で、切りくずをドリル内に流し込みながら排出するため加工面が綺麗に仕上がります。トレパニング加工も可能で、φ30を超える大型の穴あけが得意です。

▲サポート項目にオンマウスすると説明が表示されます

▲タップで
説明を表示

φ100mmを超える加工もOK
大型の深穴加工なら

深江特殊鋼
深江特殊鋼の深穴加工事例

引用元:深江特殊鋼HP
https://www.bta-gd.com/case/1166/

  • 計5台の深穴加工マシンで、φ4~300までの大型穴加工を実現
  • 自動でセッティングしてくれるマシンもあり、無人加工のスピード対応
対応穴径
φ4~300
対応素材
鋼系、ステンレス系
耐蝕・耐熱合金、チタン系
アルミニウム系、銅系、樹脂系
芯ずれ精度
1mm以下
※φ10mm、1,000mmの長さで加工した場合
対応加工法
  • ガンドリル加工
    ガンドリル加工とは?

    直進性の高い深穴加工を叶える加工方法で、LD100であれば芯ずれを1mm以下に抑えられます。金属・非金属問わず、一般的にφ3~30程度の加工が得意です。

  • BTA加工
    BTA加工とは?

    曲がりを抑えながら直径の50倍を超える穴あけも可能な方法で、切りくずをドリル内に流し込みながら排出するため加工面が綺麗に仕上がります。トレパニング加工も可能で、φ30を超える大型の穴あけが得意です。

▲サポート項目にオンマウスすると説明が表示されます

▲タップで
説明を表示

55年以上樹脂加工に注力
熱に弱い樹脂の深穴加工なら

ヤマデン
ヤマデンの深穴加工事例

引用元:ヤマデンHP
https://yamaden-ltd.co.jp/service_category/processing/

  • 樹脂の加工実績を多く持ち、流通している99%の樹脂素材を加工可能※1
  • 樹脂に注力した加工を55年以上続け、深穴加工だけでなく切削も対応
対応穴径
φ1~75
対応素材
樹脂系
(流通する99%の樹脂素材に対応)
芯ずれ精度
不明

対応加工法
  • ガンドリル加工
    ガンドリル加工とは?

    直進性の高い深穴加工を叶える加工方法で、LD100であれば芯ずれを1mm以下に抑えられます。金属・非金属問わず、一般的にφ3~30程度の加工が得意です。

  • BTA加工
    BTA加工とは?

    曲がりを抑えながら直径の50倍を超える穴あけも可能な方法で、切りくずをドリル内に流し込みながら排出するため加工面が綺麗に仕上がります。トレパニング加工も可能で、φ30を超える大型の穴あけが得意です。

▲サポート項目にオンマウスすると説明が表示されます

▲タップで
説明を表示

※1 2021年9月時点の情報です。

※「深穴加工」のGoogle検索結果画面に出てきた上位50社の深穴加工業者の中から、公式サイトで即日加工可能・即日出荷可能との記載があった業者をピックアップしています。

※芯ずれ精度は加工する素材や条件によって異なります。
不二新製作所芯ずれ精度 参照元:不二新製作所(https://fujishin.jp/page-115/page-183/)
深江特殊鋼芯ずれ精度 参照元:BTA・ガンドリル加工.COM(https://www.bta-gd.com/column/3945/)