このページでは、中径~大径に適した深穴加工の技術のひとつである「BTA加工」について、わかりやすく紹介していきます。
ボーリング・トレパン加工の略称である「BTA加工」は、そもそもは大砲の銃身を製造するために開発された技術ということもあり、中径~大径の深穴加工に適した技術です。
高圧の切削油を送りながら穴あけ加工を行うBTA加工では、深穴の内側を傷つけることがないため、非常に美しい仕上がりが実現することができます。現代の穴あけ加工を代表する技術と言えるでしょう。
加工物に対して非常に高圧の切削油を送りながら穴あけを行う「BTA加工」。切削は深穴の内面に触れることなく切削油によってながされていくため、非常に美しい内面に仕上がるのが特徴です。切削油は再利用されます。
専用の加工刃物を使う「BTA加工」は、主に小径の穴あけに適しているガンドリル加工の刃物とは異なり、中型から大型の穴をあける加工に強みがあります。
大径と言っても、ガンドリル加工と比べて加工精度が劣ることはありません。良好な仕上げ面とあわせて、美しい深穴を加工します。
使用される目的が異なるため弱点とは言えないかもしれませんが、「BTA加工」は一般的にφ24~φ75程度の中経から大径に適した深穴加工技術です。そのため、基本的に小さな穴あけニーズには対応することができません。
切削油の送りをはじめ、「BTA加工」には高い技術力が求められます。また、非常に高い加工精度を実現するBTAマシンは、同時にとても高価であるため、BAT加工の依頼は、しっかりと設備を整えている深穴加工業者に行うようにしましょう。
中径から大径の穴あけ加工に適している「BTA加工」では、一般的にΦ20~Φ350の範囲の穴あけに対応しています。これらの穴径を想定する場合、BTA加工の対応深さは、最大10,000Lほどとされています。
「BTA加工」が対応できる素材としては、ステンレス鋼や構造用鋼、プリハードン鋼、軸受鋼、工具鋼などがあげられます。
企業によっては、さらにアルミニウムや銅、樹脂、チタンなどの素材にもBTA加工を行うことができるようです。
愛知県海部郡飛島村の「株式会社名西深孔」によるBAT加工の事例です。穴径はφ76.8(±0.25)。深さは、630L貫通です。寸法誤差はφ76.7(±0.1mm以内)におさまっており、BTA加工の仕上がり精度の良さがわかります。
こちらもおなじく「株式会社名西深孔」によるBAT加工の事例。穴径はφ160という大きさで、これを深さ1880Lの長さで貫通させています。寸法誤差は±0.1mm以内におさまっています。旋盤加工も行われています。
大阪府大阪市の「不二新製作所」によるBTA加工の事例です。シリンダー部品の製作を行っており、素材にはSCM440調質を使用。BTA加工を行った後、内径ホーニング加工や旋盤加工も組み合わせて実施しています。
神奈川県川崎市の「日本高速削孔株式会社」によるBTA加工の事例です。こちらは、機械部品として使われる偏芯穴加工になります。このほかにも、φ460もの大径スリーブや大型シリンダーをBTA加工で製造しています。
「深穴加工」とGoogle検索した際に表示された深穴加工業者上位50社を調査した結果、最短即日での加工・出荷が可能な業者は以下の3社を紹介します。
1mの深穴でもずれは0.3mm以下
精度の高い深穴加工なら
引用元:不二製作所HP
https://fujishin.jp/post-850/
▲サポート項目にオンマウスすると説明が表示されます
▲タップで
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φ100mmを超える加工もOK
大型の深穴加工なら
引用元:深江特殊鋼HP
https://www.bta-gd.com/case/1166/
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▲タップで
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55年以上樹脂加工に注力
熱に弱い樹脂の深穴加工なら
引用元:ヤマデンHP
https://yamaden-ltd.co.jp/service_category/processing/
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※1 2021年9月時点の情報です。
※「深穴加工」のGoogle検索結果画面に出てきた上位50社の深穴加工業者の中から、公式サイトで即日加工可能・即日出荷可能との記載があった業者をピックアップしています。
※芯ずれ精度は加工する素材や条件によって異なります。
不二新製作所芯ずれ精度 参照元:不二新製作所(https://fujishin.jp/page-115/page-183/)
深江特殊鋼芯ずれ精度 参照元:BTA・ガンドリル加工.COM(https://www.bta-gd.com/column/3945/)