ガンドリル加工

このページでは、深穴加工の技術のひとつである「ガンドリル加工」について、わかりやすく紹介していきます。

ガンドリル加工とは

ガンドリル加工とは、その名の通り、もともとは銃身の穴を空けるために開発された深穴加工の技術です。

特徴は、先端から高圧の切削油を噴射させながらドリル回転を行うことで切り屑を吹き飛ばすこと。これにより、内部を傷つけることなく深穴を空けることができるメリットがあります。

ただし、ガンドリル加工には、高度な技術力も必要。とりわけ、速度と送りについて確かさが求められます。

ガンドリル加工の強み

優れた直進性を実現

ガンドリル加工であれば、直進性に優れた深穴を加工することができるため、高精度の穴あけニーズに対応可能。また、面仕上げにも優れた性能を有しており、美しい仕上がりを実現できます。φ3~φ30の比較的細い穴の加工に適しているのが特徴です。

高硬度の素材にも対応できる

ガンドリル加工であれば、高硬度材、ステンレス鋼、耐熱鋼など、切削が難しい素材にも深穴加工を施せます。さらにワンステップで穴あけ加工ができるため、能率性についても優秀。傾斜穴、交差穴も対応可能です。

ガンドリル加工の弱点

速度や送りに技術が必要

素材に高圧の切削油を噴射しながら穴あけ加工を行うガンドリル加工は、機械の速度と送りの調整に、高い技術力が求められます。切削条件の調整はもちろん、素材の前加工にも高い精度が必要なため、プロフェッショナルな技術が欠かせません。

中径~大径の穴には向かない

ガンドリル加工が適しているのは、主に細穴(3~φ30程度)です。それ以上の大きさのドリルがないこともあり、大きい穴の加工には向いていません。中径~大径の穴あけニーズには、本来のメリットを活かすことができないでしょう。

穴の深さや穴径の大きさ、素材により、複雑さが変わる深穴加工。
お願いしていたのに途中で難しいと返されてしまうことも少なくありません。
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ガンドリル加工の対応深さ

細穴加工に適しているガンドリル加工。多くの加工業者で導入されているミロク社製のガンドリルマシン「MHG-1500NC」であれば、深さ1,900Lまで対応しています。中には最大5,000Lの深さまで対応可能なガンドリルマシンもあるようです。

ガンドリル加工で加工できる素材

ステンレス鋼、耐熱鋼、高硬度材をはじめ、構造用鋼、窒化鋼、工具鋼、鋳鉄など、一般的に深穴加工が難しいとされている素材でも、ガンドリル加工であれば対応できます。高い能率性を誇り、面仕上げにも優れています。

深穴加工の種類と特徴まとめ

深穴加工の種類とその特徴

ガンドリル加工の例

名西深孔のガンドリル加工

ガンドリル加工01_株式会社名西深孔
引用元HP:株式会社名西深孔
https://fukaana.co.jp/works/index.html

「株式会社名西深孔」では、ガンドリルマシン「TGB-1500R」を使用。穴径φ15、深さ3081Lのねじ軸を製造しています。両側端面によって貫通加工を行い、中心部分のつなぎ目は、0.5以下の段差に仕上がっています。

不二新製作所のガンドリル加工

ガンドリル加工02_株式会社不二新製作所
引用元HP:株式会社不二新製作所
https://fujishin.jp/post-881/

「株式会社不二新製作所」では、板厚60mmのブロックにガンドリル加工を行い、センサー穴としてφ1.7およびφ3の3つの段付き穴、空気穴としてφ5の止まり穴、ヒーター穴としてφ12.1の8つの貫通をガンドリルで加工しています。

不二新製作所のガンドリル加工

ガンドリル加工03_株式会社不二新製作所
引用元HP:株式会社不二新製作所
https://fujishin.jp/post-883/

「株式会社不二新製作所」が手がけた、タフピッチ銅のガンドリル加工の事例です。切削油により加工穴が黒く変色していますが、これは腐食によるもの。さらにホーミング加工を行い、きれいにしていくこともできます。

野口精工のガンドリル加工

ガンドリル加工04_野口精工株式会社
引用元HP:野口精工株式会社
http://www.noguchiseiko.co.jp/gundrill.html

群馬県富岡市の「野口精工株式会社」による、包装機部品のガンドリル加工の事例です。材質はA5052。穴径Φ8.1~12.1、深さ280mmの深穴加工を行っています。MC加工も併用し、きれいに仕上げられています。

山陽株式会社のガンドリル加工

ガンドリル加工05_株式会社山陽株式会社
引用元HP:山陽株式会社
https://sany.co.jp/works/cutting/

大阪にある山陽株式会社が手掛けたガンドリル加工の事例です。
ASSY部品に対して、ガンドリル加工を行い必要となる強度を確保しつつ、軽量化に成功しました。
中実軸から中空軸にすることで321gから228gへと93gほど軽くなっております。

株式会社ヤマテックのガンドリル加工

ガンドリル加工06_株式会社株式会社ヤマテック
引用元HP:株式会社ヤマテック
https://ytech-inc.com/%e3%83%89%e3%83%a9%e3%83%a0/%d1%84600x%d1%84500x500%e3%81%ae%e3%83%89%e3%83%a9%e3%83%a0/

サイズがФ600×Ф500×500と大径のパイプ形状品にガンドリル加工を施した事例となります。
材質はSCM材(クロムモリブデン鋼鋼材)であり、面粗度Ra0.4で加工しております。
加工は新潟の柏崎を拠点に活動している株式会社ヤマテックが担当しました。

株式会社酒井鉄工所のガンドリル加工

ガンドリル加工08_株式会社株式会社酒井鉄工所
引用元HP:株式会社酒井鉄工所
https://sakaitec.co.jp/casestudy/one-stop/108

難削材のインコネル SUS630の材質のシャフトをФ12L 800のガンドリルを使用して加工をしました。
一部焼き入れを除いて、酒井鉄工所が生産から最終的な研磨までを一貫して対応をした事例です。

最短即日加工が可能な
おすすめ
深穴加工業者3選

「深穴加工」とGoogle検索した際に表示された深穴加工業者上位50社を調査した結果、最短即日での加工・出荷が可能な業者は以下の3社を紹介します。

1mの深穴でもずれは0.3mm以下
精度の高い深穴加工なら

不二新製作所
不二新製作所の深穴加工事例

引用元:不二製作所HP
https://fujishin.jp/post-850/

  • 独自開発マシンで芯ずれを通常の半分以下に抑える
  • φ5mmまでは3.2mmや1.7mmなど0.1mm刻みの加工に対応
対応穴径
φ0.5~75
対応素材
鋼系、ステンレス系
耐蝕・耐熱合金、チタン系
アルミニウム系、銅系、樹脂系
芯ずれ精度
0.3mm以下
※φ10mm、1,000mmの長さで加工した場合
対応加工法
  • ガンドリル加工
    ガンドリル加工とは?

    直進性の高い深穴加工を叶える加工方法で、LD100であれば芯ずれを1mm以下に抑えられます。金属・非金属問わず、一般的にφ3~30程度の加工が得意です。

  • BTA加工
    BTA加工とは?

    曲がりを抑えながら直径の50倍を超える穴あけも可能な方法で、切りくずをドリル内に流し込みながら排出するため加工面が綺麗に仕上がります。トレパニング加工も可能で、φ30を超える大型の穴あけが得意です。

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φ100mmを超える加工もOK
大型の深穴加工なら

深江特殊鋼
深江特殊鋼の深穴加工事例

引用元:深江特殊鋼HP
https://www.bta-gd.com/case/1166/

  • 計5台の深穴加工マシンで、φ4~300までの大型穴加工を実現
  • 自動でセッティングしてくれるマシンもあり、無人加工のスピード対応
対応穴径
φ4~300
対応素材
鋼系、ステンレス系
耐蝕・耐熱合金、チタン系
アルミニウム系、銅系、樹脂系
芯ずれ精度
1mm以下
※φ10mm、1,000mmの長さで加工した場合
対応加工法
  • ガンドリル加工
    ガンドリル加工とは?

    直進性の高い深穴加工を叶える加工方法で、LD100であれば芯ずれを1mm以下に抑えられます。金属・非金属問わず、一般的にφ3~30程度の加工が得意です。

  • BTA加工
    BTA加工とは?

    曲がりを抑えながら直径の50倍を超える穴あけも可能な方法で、切りくずをドリル内に流し込みながら排出するため加工面が綺麗に仕上がります。トレパニング加工も可能で、φ30を超える大型の穴あけが得意です。

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55年以上樹脂加工に注力
熱に弱い樹脂の深穴加工なら

ヤマデン
ヤマデンの深穴加工事例

引用元:ヤマデンHP
https://yamaden-ltd.co.jp/service_category/processing/

  • 樹脂の加工実績を多く持ち、流通している99%の樹脂素材を加工可能※1
  • 樹脂に注力した加工を55年以上続け、深穴加工だけでなく切削も対応
対応穴径
φ1~75
対応素材
樹脂系
(流通する99%の樹脂素材に対応)
芯ずれ精度
不明

対応加工法
  • ガンドリル加工
    ガンドリル加工とは?

    直進性の高い深穴加工を叶える加工方法で、LD100であれば芯ずれを1mm以下に抑えられます。金属・非金属問わず、一般的にφ3~30程度の加工が得意です。

  • BTA加工
    BTA加工とは?

    曲がりを抑えながら直径の50倍を超える穴あけも可能な方法で、切りくずをドリル内に流し込みながら排出するため加工面が綺麗に仕上がります。トレパニング加工も可能で、φ30を超える大型の穴あけが得意です。

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※1 2021年9月時点の情報です。

※「深穴加工」のGoogle検索結果画面に出てきた上位50社の深穴加工業者の中から、公式サイトで即日加工可能・即日出荷可能との記載があった業者をピックアップしています。

※芯ずれ精度は加工する素材や条件によって異なります。
不二新製作所芯ずれ精度 参照元:不二新製作所(https://fujishin.jp/page-115/page-183/)
深江特殊鋼芯ずれ精度 参照元:BTA・ガンドリル加工.COM(https://www.bta-gd.com/column/3945/)